カントリーロード|Synthesizer V 合唱カバー制作設定公開
Synthesizer V Studio 2 Pro を使用して制作した
「カントリーロード」合唱カバーの最終ミックス設定を公開します。
Contents
動画視聴
完成動画はこちらです。
帰り道を、音で描く
カントリーロードは、
「どこかへ進む歌」というより、
「帰る場所を想う歌」だと感じています。
だから今回の合唱は、
押し出すのではなく、
包み込む設計。
音圧ではなく空気。
主張ではなく余韻。
それを軸に、音を組み立てました。
🎙 ボーカル設計思想
桜乃そらは、帰り道を照らす光。
宮舞モカは、帰る場所へと歩み続ける想い。
フリモメンは、その足元を支える静かな道。
数値は手段であり、目的ではありません。
まず「どう聴こえてほしいか」を決めています。
🎚 フェーダーバランス

Piano:-0.5
桜乃そら(Sop):-1.0
宮舞モカ(Alto):-2.3
フリモメン(Tenor):-7.5
テノールは数値上かなり下げていますが、
低域は存在感が強いため、
“聴こえる量”で判断しています。
主旋律を中心に、
三角形のような重心バランスを意識しました。
🎛 EQ設計(最終調整)
今回、他作業と並行していた影響で、
LowCutの傾きをすべて 24dB/Oct で適用していました。
本来はボーカルは 12dB/Oct を想定しています。
24dBは整理力が強く、
低域がよりスッと抜ける反面、
やや人工的になりやすい傾向があります。
ただし今回は、
・曲自体が低域薄め
・テノールを控えめに配置
・空気感重視の設計
という条件が重なり、
結果として破綻はなく、
むしろ透明感のある仕上がりになりました。
意図とは違いましたが、
最終チェックで違和感がなかったため、
今回はそのまま完成としています。
今後は傾きも含めて、
より意図的に使い分けていきます。
🌸 Soprano
LowCut 120Hz
400Hz -1.5dB
8kHz +1.2dB

120Hz以下を整理し、
400Hz付近の軽い濁りを抑制。
8kHzを +1.2dB することで、
空気の粒を少しだけ持ち上げています。
刺さりではなく、
“光の輪郭”を作る設計です。
🐈⬛ Alto
LowCut 100Hz
300Hz -1.8dB

アルトは和音の核。
300Hz付近を -1.8dB 整理することで、
サビで埋もれない輪郭を確保。
足すのではなく、
削って抜けを作るアプローチです。
👔 Tenor
LowCut 80Hz
250Hz -1.5dB
4.5kHz +0.5〜1dB

80Hz以下を整理し、
250Hzでこもりを抑制。
4.5kHzをわずかに持ち上げることで、
発音の明瞭さを補強。
前に出すのではなく、
“下から支える芯”を整えています。
🎹 Piano
LowCut 70Hz
300Hz -1.5dB
2.5kHz -1dB

低域を整理し、
ボーカル帯域との衝突を回避。
300Hzを軽く削ることで濁りを防ぎ、
2.5kHzを -1dB 抑えて
主旋律を邪魔しないよう調整しています。
EQよりもまずフェーダー。
その上で微調整しています。
🌫 リバーブ(Room)
Length:1.45s
PreDelay:22ms
Size:3.8m
Width:0.9
Height:0.35
Dampness:62%
Mix:100%(Send方式)
ホールではなくRoom。
遠くへ飛ばすのではなく、
“近い距離で響く合唱”を目指しました。
🎚 リミッター
Ceiling -1.0
Release 100ms
Threshold 約 -3.5
Gain Reduction は最大1.94程度。
Integrated 約14.5 LUFS
音圧を上げるためではなく、
ピークの保険として使用。
強く潰す設計はしていません。


🎼 まとめ
カントリーロードは、
帰る場所を想う歌。
だからこの合唱は、
押し出さず、
包み込み、
静かに照らす設計にしました。
設定には小さな想定違いもありましたが、
最終判断は“耳”。
違和感がなければ、それが答え。
数値は道具。
音は結果。
この音が、
あなたの帰り道を少しでも照らせていたなら嬉しいです。
