制作ノート

Synthesizer V|語尾が「ブツッ」と切れるときの対処法

Synthesizer Vで語尾がブツっと切れる原因と対策の図解
越賀

ノートを少し短くすると自然にフェードすることがある

Synthesizer Vで弾き語りカバーを制作しているときに、語尾の伸ばしが少し気になりました。

合唱カバーの場合は複数の声が重なるのであまり目立たないのですが、
弾き語りのように1人だけで歌う場合、語尾の不自然さがかなり目立ちます。

特に、語尾が

「ブツッ」と切れる

ように聞こえることがあります。

調声をいろいろ試しているうちに、あることに気づきました。

ノートの長さをほんの少し短くすると、語尾が自然にフェードすることがあるのです。


Synthesizer Vの画面にある“芋”のような形

Synthesizer Vのピッチカーブの下には、
芋のような形が連なった表示があります。

これは声のエネルギー(発声の強さ)のようなものを表しているように見えます。

語尾が自然にフェードしている場合、この芋の形は次のようになります。

中 → 大 → 中 → 細 → 消える

つまり

声のエネルギーが徐々に減衰していく形です。


語尾が不自然に切れるとき

語尾が「ブツッ」と切れる場合、芋の形はこのようになります。

太 → 太 → 太 → |(ノート終了)

つまり

声のエネルギーがまだ残っている状態でノートが終わっています。


語尾が切れてしまう例

Synthesizer Vで語尾の発声エネルギー(芋)が太いままノート終端で切れている例。声が自然に減衰せずプツッと切れる状態。
語尾の発声エネルギー(芋)が太いままノート終端に到達している状態。この場合、声が減衰する前に止まるため語尾が不自然に切れて聞こえる。

この状態では、発声エネルギーがまだ残っている状態でノート終端に到達しています。


ノート終端を越えたエネルギーはどうなるのか

ここが今回気づいたポイントです。

図で説明すると次のようなイメージになります。

Synthesizer Vの語尾フェードの仕組みを示した図。ノート終端でエネルギーが残ると声がブツっと切れる失敗例と、自然に減衰してフェードする成功例の比較。
Synthesizer Vの語尾が不自然に切れる場合のイメージ図
左:エネルギーが残ったままノート終端で切れる
右:エネルギーが減衰して自然にフェードする

図の左側のように、
発声エネルギーがノート終端を越える形になると、Synthesizer Vはノート終了のタイミングで音声を強制停止します。

そのため

声の減衰が終わる前に再生が止まり、語尾がブツッと切れて聞こえる

ことがあります。


ノートを少し短くすると起きること

そこで試してみたのが

ノートを64分音符ほど短くする

という方法です。

すると、芋の形が次のように変わることがありました。

中 → 大 → 中 → 細 → 消える

つまり

発声エネルギーがノート終端までに減衰する形になります。


自然にフェードしている例

Synthesizer Vで語尾の発声エネルギー(芋)が先に向かって細くなり、ノート終端までに自然に減衰してフェードしている例。
語尾の発声エネルギー(芋)が徐々に細くなり、ノート終端までに自然に減衰してフェードしている状態。

この状態では、芋(発声エネルギー)が先に向かって細くなり、
ノート終端までに自然に減衰しています。

そのため語尾が

自然にフェードして聞こえます。


なぜこの現象が起きるのか(仮説)

私はSynthesizer Vの開発者ではないので、内部の仕組みは正確には分かりません。

ただ調声している中で感じたのは、

Synthesizer Vはおそらく

「この母音とこの長さならこういう発声カーブになる」

という統計的なモデルを持っているのではないか、ということです。

母音やノートの長さがそのモデルに当てはまる場合、
芋が太いままノート終端で切れていても、AIは特に問題とは判断していないように見えます。

つまりAIにとっては

「想定している発声カーブ通り」

なので、人間が感じるほど不自然とは認識していないのかもしれません。


ノートを短くすると何が起きるのか

ノートを少し短くすると、
その発声カーブが ノート内に収まらなくなる 可能性があります。

するとSynthesizer Vは

減衰を早めるように再計算している

ように見えます。

その結果

芋が細くなり、自然にフェードする

ことがあります。


調声のコツ

語尾が不自然に切れる場合は、次の順番で試してみると良いかもしれません。

① まずリテイク

Synthesizer Vはリテイクをすることによって、
それだけで自然な語尾になることもあります。

② それでも直らない場合

  1. ノートを選ぶ
  2. ノートを 64分音符ほど短くする

これだけで語尾が自然になることがあります。


まとめ

Synthesizer Vでは、語尾の発声カーブがAIによって自動生成されます。

そのため

ノート終端より先まで発声エネルギーが残ると、ノート終了で強制停止される

ことがあります。

語尾が「ブツッ」と切れると感じたときは

  1. リテイクを試す
  2. ノートを少し短くする

この方法で改善することがあります。

ほんの少しの調整ですが、意外と効果があります。


補足:64分音符でも改善しない場合は128分音符削り

ノートを64分音符ほど短くすると自然にフェードすることが多いですが、
それでもうまくいかないケースもありました。

その場合は、一度ノートの長さを元に戻してから

128分音符ほど短くする

と、綺麗にフェードすることがあります。

私の環境では、

  • 64分音符では改善しない
  • 元の長さに戻す
  • 128分音符の削りを試す

という手順で、自然にフェードするようになりました。

ほんのわずかな差ですが、Synthesizer Vの発声カーブに影響することがあるようです。

なお、この方法はすべてのケースで必ず改善するとは限りませんが、語尾のフェードが不自然な場合の調整方法の一つとして参考になればと思います。

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越賀(コシカ)
越賀(コシカ)
越賀企画 代表
大型トラック運転手をしながら、Synthesizer Vでカバー制作をしています。 合唱アレンジやミックスなど、制作の試行錯誤をブログで記録しています。 現場から学び、挑戦を形にする。越賀企画。
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